お嬢様と執事さん


お嬢様の部屋の前で一度立ち止まる


そして一呼吸置き扉をたたく


「はい」


凛と澄んだ声が聞こえると素早く中へ入る


「お嬢様、紅茶をお持ちしました」


おや?お嬢様のお姿が見えない


「ありがとう」


どこから声がし、キョロキョロと部屋全体を見渡すとソファーに本の山と埋もれているお嬢様を見つけた


「何をしてらっしゃるのですか?」


紅茶をテーブルに置きながら問いかけると、お嬢様はやっと本から顔を上げ俺を見てくれた


「学園の歴史について調べてたの」


「学園の歴史、ですか……?」


「そう、あの学園ってすごく古くからあって伝統や、歴史に興味深いことがあったの」


そう語るお嬢様はキラキラと輝いていてとても楽しそうにそのことについて話していた






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