運命 桜散る頃に
そう

きっともう長くない

私がここまで生きられたのも奇跡だから


満咲は何となく気づいていた

もう自分は長くない

これ以上の奇跡は起きない…と

「満咲…」

「あっそろそろ時間だから私行くねっ!
またね、“怜斗” 霧恵先輩」

満咲は怜斗の言葉をさえぎって教室へと走り去った

そして怜斗のと霧恵は気づいた

満咲が最後に怜斗の事を怜ではなく怜斗と呼んだのを

「最低だな お前…」

怜斗はそんな奴だとは思ってなかったと言って霧恵に背を向けた

怜斗がその場から去った後
霧恵は一人涙を流した

あたしはどうしてああいうことしかいえないんだろう

あたしはただ好きなだけなのに








< 6 / 105 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop