恋スル運命
ゆっくりと階段を上がっていって、たどり着いた先は急に開けた空間が広がっていた。





誰が作ったんだろう。開けた場所にポツンとおかれたベンチ。





そしてその先には街中の様子が見れた。




ここって高台になってたんだ。




私が働いてるデパート辺りを中心に光るネオン。
住宅からこぼれる光。




それらが夜景として成り立っていて一面キラキラとした景色が目の前に広がる。




「綺麗……」





自然と口から出た言葉。






『ここ、俺の好きな場所。ここらへんに住んでる奴はしった場所なんだろうけど、俺は偶然見つけた。

だから俺だけの場所だと思ってる』





隣で言う海偉をゆっくりと見上げる。





海偉は景色を優しい目付きで見ていた。





「なんで私を連れてきたの?」




問いかけにゆっくりと視線を私へと向ける。





『いつも1人でしか来たことのない場所だ。誰も連れてきた事はないし、知られたくないとも思ってる。

でも…サラには見せたいと思った。

俺の好きなモノをお前にも知って欲しいって思った』





そう言った海偉の表情は笑顔だった。




初めて見た笑顔は予想以上に柔らかいものだった。




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