恋スル運命
ドキンッ





胸が不意に大きく音を立てた。






『お前と…サラと見ると一段と綺麗に見えるよ。

1人で見てきた今までとは比べ物にならないな』






ヤダ





ずるいよ。






こんな綺麗な夜景を見せられて、

そんな初めて見せる顔で、
私だけに見せたかったとか、

私と一緒だと更に綺麗に見えるとか、


そんな言われたら、さすがにドキドキしちゃうじゃないのよ。






いまだに柔らかい笑顔で私を見つめるから、タチが悪い。





胸の動悸がどんどんと早くなっていく。






ドキン…ドキンって鳴る度に、繋いだままの手から伝わってしまうんじゃないかと思うほど鼓動してる気がした。







『気に入ったか?』







私はどうにか夜景に視線を戻して、一言「うん」って返事をするのがやっとだった。






悔しいけど夜景に、海偉の言葉にときめいてしまっていた。





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