君の名前
私が立ち上がると、仁ちゃんが、悠くんの
腕をひっっぱた。

「俺ら、中学ん時からの連れだろ?ずっとお前の隣にいたけど、
何ひとつ、ちゃんと笑ってなかったじゃん?
俺ずっと、力になりてぇ~って思ってた。それが今じゃん?
ずっと、美奈の下でいきてけねぇ~だろ?お前には、幸せに
なってほしい。死んだあいつも今のお前見てたらキレってぞ?」

仁ちゃんはそう言った後、テレくさそうにした。

「さんきゅ・・・」

悠くんはちょっと涙目になってた。

私たちは、それぞれの思いを抱えて、
奥の部屋を開けた。

悠くんの前に向かい合った。

「あのね・・・」
私は口を開いた。

「わりぃ・・・俺に言わせて?」

「うん・・・・」

「俺・・・・ずっと、このまま生きていくのかな?って思ってた。
好きなやつ殺されて、俺とかかわれば、って考えただけで、
怖くなっちて・・・でも、優は、一生懸命にぶつかってきてくれて・・・
俺、超だせぇ・・って思った・・・。」

「っ・・・」
私はこぼれる涙をぬぐった。

「俺、美奈から離れて、優とこれから一緒にいてぇ。」

「ほ・・んと?」

一番聞きたかった、言葉・・・。

私は思わず、悠くんに飛びついた。

悠くんも私の背中に手を回した。

「グスッ・・・ふぇっ・・」

悠くんは、わたしの頭をナデナデした。

「泣き虫~優~!!」

「ぢがヴもん!!!!」

鼻声で、言った。

悠くんは、私を体から離して、
顔を見つめた。

そして、初めて唇をかさねた。

チュっと音が鳴るくらい、軽いキス。

2人で、照れ笑いして、リビングにむかった。

そこには、深刻そうな顔をしてる、仁ちゃんと
美雪ちゃんがいた。

「付き合うことになったよ♪」

「まじぃぃぃ!!!!!!!!よかったぁぁぁ」
美雪ちゃんは、私に抱きついた。


「まじ、さんきゅ!!!」

「おう♪」

「実は、俺らも報告あるんだ・・・」


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