マイワールド
「これ、ウーパーから預かった。」

「『ウーパー』?」

私は思わず聞き返した。

これで、
この人が本当のウーパーの友達であることがわかった。

「あ、ごめん。

中栄監督のニックネーム。」

「そうですか。」

自分もそのニックネームで呼んでいたことは伏せた。

「で、これなんだけど。」

彼は、ウォークマンをテーブルの上に置いた。

「あの、すいません。

お名前聞いてもいいですか?」

「あ、ごめん。

竹田(たけだ)です。」

「あ、わかりました。」

「で、これ、
ウーパーから預かった……」

「ところで、
なんで中栄さんは、私にメールしないで、竹田さんを……?」

「あ、ごめん。

知らなかったね。

ウーパーさ、ケータイ音痴なんだよ。」

「何ですか、それ?」

「機械音痴のケータイ版。

ケータイがまともに使えないんだよ。

メールなんか、一通送るのに最低五分はかかるし。」

「なるほど……。」

ウーパーからのメールが毎回無表情だった理由が、今わかった。

「で、このウォークマン……」

「あ、あのぉ……」

「あのさぁ!」

竹田さんは急に大きな声を出した。
< 96 / 432 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop