身代わり姫
「……国王様、それでは、こうしては如何でしょうか?」


大臣たちの一番後ろにいた、まだ若い書記官が、口を開きました。

みんなの目が一斉にそちらに向けられます。

視線を一身に受けた、気の弱そうなひょろひょろした書記官は、おずおずと言いました。


「グラディス王女の、身代わりを立てては如何でしょうか……」



身代わりとな?
国王の目が、光を帯びました。



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