身代わり姫
「ですけどね、そんなに美しいあなたを殺すのは忍びない話です。
そこで、どうでしょう? 私のものになりませんか? 
なると言うのであれば、ここから助けて差し上げますよ」


え? とレオノーラは顔を上げました。その姿を大臣はじろじろと眺めて、舌なめずりをしました。


「適当な女を代わりに処刑して、ごまかしてあげると言ってるんですよ。
私の雇っている魔術使いに命じれば、そこいらの女をお前に見せかける事ができるからね」


「そんな。私のせいで誰かを殺すなんてできません!」


レオノーラは驚いて言いました。

私の為に、他の人の大切な命を奪うなんて許されるわけないわ。

大臣は笑いを浮かべたまま、レオノーラになおも言いました。


「ではこのまま火あぶりになるのを待つつもりかね?」


火あぶりに……。

レオノーラはぞっとして、体の血の気が引いていくのが分かりました。

もちろん、死にたいはずはありません。

けれど、そのために誰かが死ぬなんて、あってはならないわ。


「……大臣様、ダメです。他の誰かの代わりに生き残るなんて、できません」


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