緋色の奇跡
彼の言葉に疑問の言葉を紡ぐと、彼は少し困ったように笑った


「高校に入って、初めて女の子に告白された時、瑞杞の事を」


彼の言葉の意味が分からなくて、首を傾げる私に、彼は言葉を続けていった


「瑞杞は何してるだろうって。瑞杞にも、こんな風に、誰かが想いを伝えているのかな?って」


「そう思ってようやく自分の気持ちに気づいたんだよ」と言って彼は私に笑いかけた


「てか、この再会も、俺が南野に頼んでたりして……」

「へ!?」


ニッと悪戯っ子の笑顔を見せる彼に、私は目を見開いて瞬きを繰り返してしまう

そうしてちょっと剥れて彼を見上げると、彼は苦笑してまた私の頭を撫でた

それからその手は、先ほど私の涙を拭った時と同じように、私の頬で静止する

視線が交差して、ちょうど真ん中で衝突したところで、私の唇に彼の唇が重なった


ファーストキスってどんな味?


正直良く分からないけれど、ただただ幸せだと思える温かい気持ちになった


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