緋色の奇跡
苦笑しながら、それを受け取る私に、彼女は少し間をおいてから、その携帯電話について尋ねた


「そう言えば先生、それいつも持ち歩いていますよね。いつも使っているのとは別に……。その電話何なんですか?」


その言葉に、ニコッと笑うと、私はイタズラに「な・い・しょ」と言って人差し指を口にあてた


花が降る


この街に今年も、切ないけれど、大切なものを再確認する季節の到来を告げる白い花が降る

それは私たちの視界を白に染めて、心を綺麗に浄化してくれるように………

痛みを心に負った人がいる

命の大切さを痛感した日

あの日を忘れてはいけない

今日を生きる事の出来なかった人の分、私たちは今日を、未来を生きていかなくてならないのだから



*☆*:;;;: Fin :;;;:*☆*


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