執事と羊
「やっぱ、お兄ちゃんか......」
黙り込むあたしをみて
そうだと分かったみたい。
やっぱりって、最初から
かんづいていたんだ。
「美優のダンス見学しに行った日あったでしょ?」
「うん。」
「あの日からずっと上の空なの。
どうしたの?って聞いても何も言わないし
美優の話をすると席を外すの。
だから、何かあったんだなあって
思ったんだ。」
そうだったんだ。
羊はあの日からあまりあたしに
声をかけなくなっていた。
ダンスの事は何かと
聞かれるけど、プライベートのことは
一切突っ込まなくなった。
でも理由はあたしの首元に付いている
キスマークだったんだね。
「これさ.........羊に付けられたの。
ダンスを見せた日、
日程のことでって呼び出されたじゃない?」