からんころん

「2人ともお疲れってことで、メシおごるよ。特そばににぎり付けるっつうのはどう?」

「マジ?やった!行こうぜぇ~」



誠也ははしゃいで、とっとと駐車場へかけていった。



「ははは」

「…………」

「…ばあちゃんがこの前、今度は実果子ちゃんも連れておいでって言ってたんだ」

「え…」

「行こう!」




実果子はドキドキだった。



「いらっしゃい」



はじめは気まずそうに実果子を迎え入れたおばあちゃん。


それからしばらく実果子を観察した末…

おばあちゃんは、何度も実果子に謝罪した。



「本当に嫌な思いさせてすまなかったねぇ…」

「もういいですって!」

「私ゃどうかしてたんだ…」

「ばあちゃんは悪くない。悪いのは…」

「お、お兄さん!ガリ食べないんですか!?」

「え?ああ…あんま好きじゃなくて」

「じゃください。私好きなんです」

「いいよ」

「まったく晴紀ちゃんはまだガリ様を食べらんないのかい」

「…なんで様付けるんだよ?」



久しぶりにそば屋での和やかな時間を過ごしたのだった。









「実果子ちゃん、明日うちに来て」



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