Secret Romance*
「玉木ちゃん?」
すっかり状況を忘れていた私に頭上から優しい声がかかる。
「…入学式の朝」
「…え?」
キョトンとする彼を睨みつけた。
「私とあんたの…出会い」
震える唇でそれだけを呟くと、新田は目を細めて笑う。
そして体を起こすと、私から離れた。
「……新田?」
「残念だな…玉木ちゃん」
「……え?」
「…終わりにしようか?」
「……!」
投げ掛けられたその言葉に、理由は分からないけど心臓が痛んだ。
「……新田?」
ベッドから上半身だけを立たせる。
背を向けている彼の表情はわからなかった。
「玉木ちゃん…全部思い出してよ。俺の事…そしたらまた…」
「……?」
新田が振り返る。
その時の表情は予想していたどの表情にも当てはまらなかった。
彼の瞳は…
孤独を帯びていた。
「……にっ…」
「また…愛してあげる」
新田が一歩ずつ近づいてくる…
ベッドに膝を付け、私の髪をすいた。
「新…田」
訳の分からない恐怖心に体が震える…
『彼がいなくなる』
そう感じで止まなかった。