虹の賢者
しばらくして目が慣れると、オーシャンは宿のベッドの上にはいなかった。


爽やかな風が吹く広い草原の真ん中にいた。


目の前には見たこともない人物が立っていた。ローブのフードをまぶかにかぶった老人…


「あなたは誰?」


おそるおそるオーシャンは尋ねた。


「私は赤の賢者…」


「赤の賢者?」


オーシャンはオウム返しに聞きながら、身を構えていた。


「けっして怪しいものではない…」


「十分あやしいわよ!」


「実はお前様に探して欲しいものがある…」


「探して欲しいもの?」

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