文学乙女
act.1 図書館
今日の天気は、すっきりとした晴天に恵まれている。




写真集によく載っているような澄み切った空色。





青空に描かれた無造作な形の白い雲。





いっそのことヤッホーイ!と叫びたくなるくらい。





あたしは中央図書館の自転車置き場に、自転車を停めた。





今日は週休土曜日。





やっとの思いで与えられた一人だけの時間。





仕事からようやく解放されて、おしゃれしてもお出掛けしても何でもありな日。




仕事にあれこれ追われたせいで、図書館へ行く機会がなく、やっと休みに入る!





やったね(^o^)……と思ったら、会社の社員に。





「越野さん、急きょ出てくれる?」





……と、言われて、出ざるを得ない日々。





 

もぉ~っっ!!









一体、いつになったら本を借りに行けるのよ!(>_<)





と、本心をぶつけたい。





けど、実際そんなことは無理だろう。





現実はそう甘くはない。





むしろ苦々しく、厳しすぎる過酷なもの。





それでも、その厳しさに立ち向かざるを得ないのだ。





あたしの名は越野秀佳。





25歳で未だに独身。





性格はかなりの天然ボケで、直したくてもなかなか直らない有り様である。





こんな性格でか、学生の頃いろんな男子や女子にいじめられたり、ちょっかいを出された経験もあった。





今は大人だから、こういうこと言えるけどね。






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