文学乙女
休みに入ると、ようやく一人の時間が与えられたことに、胸を撫で下ろした。





あたしは、早く図書館へ行きたい気持ちでいっぱいだった。





午前9時半に家を出て、図書館まで自転車を飛ばした。





今日はいい本あるかな−?





あたしはカバンを持って、玄関前に立ち止まる。





ピンポーン。と、いうインターホンと間違いそうな音が、外から聞こえてきた。





軽く深呼吸をすると、討ち入りするように館内へ入った。






あたしは大の本好き。





学生時代、昼休みや放課後に図書室へ通っていた。





そこで時代小説だの、聞いたことない古い作家の本などを借りていた。





授業が終わった後の休み時間や、お昼ご飯をさっさと済ませて、読書に没頭していた。





小学校の頃は日本史が大好きで、重く分厚い歴史辞典を二冊借りたこともしばしばだった。





社会人になった今でも、あたしにとって、本は唯一の必須アイテムの一つであり、心を落ち着かせる安定法だ。






本を読む他にも、たまに自分で文章を書いたり、イラストを描くこともしばしば。






自分をヒロインに理想の恋愛を小説に書いたり、高校時代バイト先で憧れてた男性をモデルに詩を書いていたこともあった。





社会人になってから、創作を書く時間がなくなり、ほとんど読書を優先してしまう。






図書館で本を借りに行く他に、あたしにとってどうしても行かねばならないもう一つの理由があった。






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