文学乙女
え………?





今、秀佳ちゃんって……。




突然ちゃん付けされたことに、あたしはびっくりする。





「秀佳ちゃん…って、呼んでいいかな?」





「あ、はい…全然。でも、変なあだ名で呼ばれるのは嫌ですけど……」





「変なあだ名?」





「ええ…。ヒデゴンとかひでぶーとか、そういうあだ名付けられるの、あたし大っ嫌いなんで」





あたしは、ちょっとだけキツい口調で言った。





「そんな、失礼なあだ名で呼ばないよ」





三枝さんは、苦笑する。





「僕は、秀佳ちゃんって呼ぶから」





三枝さんのストレートな言葉に、あたしは安堵の笑みを浮かべて、うなずく。





「そう言われると、安心します」





「まだ心配?」





「ちょっとだけ」





「えーっ?」





三枝さんのあどけなさに、あたしは思わず吹き出してしまい、つい笑ってしまった。





三枝さんが本心で言ってるのは、分かってたけど、念には念を押さないと。





「じゃあ、行こっか」





「はい」





三枝さんに促され、あたしは上へ戻った。







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