氷の女王に愛の手を
一回転

ド天然


新学期から早一ヶ月。


新しいクラスにも慣れ始めた今日この頃、下駄箱に靴を突っ込んで上履きに履き替えようとしていたら、上履きの中に二つに折られた紙切れが入っていた。


手にとって開くとそこには、携帯電話の番号とアドレスが書かれている。


嗚呼、またか。


また間違って入ってるよ。


最近このような番号とアドレスだけが書かれたラブレターもどきが、誤って俺の下駄箱に入っている。


おそらく本当に渡したかった人は、俺の隣の下駄箱の人。


バスケ部のイケメンエースで、身長も180を優に超えている長身の持ち主。ヤマト。


男の俺から見てもカッコイイいのだ、女の子にモテるのも納得する。


だからって、好きな人の下駄箱を間違えるのはかなりのドジっ子だな。


相当緊張していたのだろう。


俺はこっそり隣の下駄箱に手紙を入れて、二階の教室に向かった。

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