氷の女王に愛の手を

俺のキャパシティを超えるジャンプ構成が記されていたのだ。


4T
3F-3T
3A
3Fx(xは演技後半を示す)
3Lz-2T-2Lox
3Lzx
3Lox
3S~2Ax


トップ男子選手のジャンプ構成は大抵、ジャンプの基礎点が1.1倍になる演技後半に五つのジャンプを用意。3Aと3Lzをそれぞれ二つ跳び、3Fを一つ跳ぶというもの。


ジャンプの基礎点はアクセルが一番高く、次にルッツ、フリップと続く。


三回転以上のジャンプの場合、二種類を最大二回までしか挑戦できず、どちらか一つはコンビネーションジャンプにしなければならない。


なのでアクセルとルッツを二つ跳び、残りのジャンプを跳ぶというのが一般的なのだが、このジャンプ構成はルッツとフリップを二回跳ぶことになっている。


3Aの基礎点は8.2。3Fの基礎点は5.5。


一般的な構成に比べて、単純に2.7点の点差が生まれる。


フィギュアにおいて、2.7という点差は大きい。スピン一つ分ぐらいの点が失われるのだ。
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