世界一長いラブレター


「えーっ?!」
「ごめんっ」

午後11時

必死に謝る僕

「明日は1ヶ月記念日だよ?もしかして忘れてたの?」
「覚えてたよ。だけど」
「だったらなんでバイト入れちゃうのー?」

明日は1ヶ月記念日。分かっていた。でも今日買うはずのプレゼントを選んでいたら、ペアリングがあって、名前を彫って石を入れてもらう予約をした。それが出来上がるのが、明日。
あやにはまだ言いたくないからコンビニのバイトをしている僕は今から明日の昼までバイトだと嘘をついた。

「だから、バイト先の奴が事故にあって、朝方は忙しいからどーしても」
「だったらなんで遊汰なのーっ?」
「しょうがないだろ。昼から会えるから」

店が開くのは10時から。あやとの約束も10時から。急げば昼にはあえる。

「やだぁーっ」
「だからごめんって」

「…。」
「あや?バイトが終わったら急いであやの家行くから。ね?」
「…ぃや。」
「ん?」
「絶対やだ!来るまで駅で待ってるから!」
「一人じゃ危ないでしょ?!あやっ…?」
──ブッ

切られた…

だけどプレゼントの事を言うわけにはいかない。あやも大人だし…大丈夫だろう

そう思いながら僕は眠りについた。
< 18 / 20 >

この作品をシェア

pagetop