君とはじめて。〜契約恋愛〜

パーティーも終盤に差し掛かり、やっと解放される…そう思った。


だか、もう父にゆっくり会えるのは一年後…と思うと寂しい気持ちになってしまう。


まさか、戸高企業と最大プロジェクトを進めてたなんて…

思ってもいなかった奈緒。


今日は散々だったけど、家族に会えたのは本当に嬉しかった。



あの男とも、もう会わないだろう…、明日からまた頑張らなきゃね、そう静かに誓った。




「奈緒、今日はお疲れ様。いつも私たちのためにありがとう……奈緒には寂しい思いばかりさせてきていつも親らしいことなんて何もできてなかった…
でも、奈緒は私たちについてきてくれた。……ありがとう」


「お父様…お母様……」

突然の父と母からの
感謝の言葉に目を丸くしてしまう。


ああ、父と母はあたしが寂しい気持ちだったと言うことを知っていたんだ…。


それだけでも嬉しかった。

少しでも自分の事を考えてくれていたのだから…。

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