君色 **空色**
『さっき別れたばっかなのに』


こみ上げる笑いを我慢しながら、私は彼に近寄って行った


「よっ!」


私がそう声をかけると、彼はいつものように『驚きました』の表情をして私を見上げた

「隣いい?」と聞きつつも、返事を待たずに私は彼の隣りに腰を下ろす

「えへへ、結局同じ電車やし。私の方が早く出たはずやねんけどなぁ」と呟きながら、イヤホンを外してプレーヤーにグルグル巻きつけていく

そう言ってから、私はある事に気がついた


特にしたいと思う会話がない……


グルグル、グルグルコードを巻きつけながら、考えを巡らせて、高校時代の話を思い出す


「…そう言えば、岩崎くんって野球部やったんやろ?ポジションどこやったん?」

「ポジション?ショートとかセカンドかな…」

「昔の私だったらその言葉分からなかっただろうなぁ…」


彼の言葉を聞きながら、「驚くぐらい野球分からんかったから、私。バッテリーって、電池の?的なくらいに…」と言って、話がずれた事に気がつく



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