君色 **空色**
挨拶なしに帰るのはちょっと悪い気がするが、彼らに気を使われたりするのはもっとごめんだ

そう思うと、私は暗闇の広がるキャンパス内へと出て行った


ミュージックプレイヤーを取り出しながら、暗くなった駅までの道を歩く

何度もこの道を歩いているが、やはり夜に1人で歩くは少し怖い

まだ学生が結構歩いている時間だから歩く事が出来るが、この道時間がずれた時には歩きたくない

そんな事を思いつつ、あの後彼とお友達さんがどう思ったかをふと考える


『いや、きっと気にしてないだろう』


そう考えて、駅のホームに辿りつく

向かうはいつものように後ろの車両

この時間帯に1番前の車両なんかに乗った日には、もみくちゃにされる

それはそれは痴漢なんて分からないくらいの密着具合だ

なぜ知っているかと言うと、春学期にそんな車両に乗ったからだ

あれ以来、決して乗ろうなんて思いもしない

電車がホームについて、ゆっくりと私は電車に乗り込む

いつものようにドア際にもたれかかると、1人の男性が目に入った

彼は嫌でも目に入る青いダウンを着ている


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