紺碧の地図
「うん。ごめん…びっくりしただけ」
「ほら!ララちゃんが混乱すんだろー!?」
「あーもうレキうるさい!」
心臓の鼓動は、私の心を何度も打つ。
鈍った思考の中で、反射的にゼンに視線が向いた。
―――――ゼン。
目が合うと、ゼンは微笑んで。
やっぱり悲しそうに笑うから…耐えられなくなった。
「え、ララ!?」
ニーナの制止を振り切って、私は外へ飛び出した。
…考えたくない。何も。
無意識に辿り着いたのは、あの小さな丘。
一気に駆け上がると、私は肩で息を切らす。
沈みかける太陽が、辺りをオレンジ色に染めていた。
その光を見た瞬間、私の中で何かが崩れた。
「………っ」
堪えられたのは、一瞬で。
次々に溢れ出す涙を、私は止めることが出来なかった。
私はその場に崩れ落ちると、大きな声で泣き喚いた。
…心の痛みを、消し去りたくて。