はじまりは、ほんの小さな
押せば、
そこに指を落とせば、
音が出る。
子供ながらに、
凄いと思った。
そんなあどけない頃もあったのに、丁度今、私はそれでお金を貰うことになる。
「これ今月の分ね、」
差し出された茶封筒。
重い腕を上げて受け取った。
しょうがない。
こうしないと。
こうして、私は、私を知らないと、音を失ってしまうから。
だからって、
心の中で、必死に言い訳をしてもしょうがないのに。
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