はじまりは、ほんの小さな
「カンナ」
「んー?」
「あんた、…病院臭い…」
「は、え、ええ?」
私の制服の肩元をつまみ、犬のようにクンクンと臭いを嗅ぐ。
「ほら、やっぱり」
「ほ、ほらって言われても…知らない。」
そう言うがカンナの瞳は泳いで、時折右上に留まった。
「正直に言いなさいよ。この美弥子様には嘘はつけないわよ!」
ふんぞり返って威張り倒す。
「い、言えない」
「は?言えない?…はっ!まさか産婦人科!?」
「ち、違う!そんなはずないじゃん」
