ツンデレラ
『あ、そーだ。綺、メアド教えて〜♪』
危ない危ない…
潤平との約束忘れるとこだった…
『いぃよ♪ただ、一つだけお願いしてもいい??』
『うん、何??』
『…絶対誰かにアド教えたりすんなょ。』
…恐えぇッッ!!
さっき唯と喧嘩してたときと同じ目してるし…
教えたら殺られるな…
『うん、わかった。ちゃんと約束守るから。』
『ホント??あたし、夕輝のこと信じてるから。』
綺はあたしのことを目をウルウルさせて見てきた。
先程とは明らかに違う目をしている。
…綺って…
二重人格…??(;Д)
『…あのね…』
『ん?』
綺が小声で、声を震わせながら何かを言った。
ガラッッ
『はい、そろそろ入学式始まりますよー。服装正して、廊下に出席番号順に並んでくださーい!!』
…丸子ォォォッッ!!
タイミング良すぎんだょ、
コンチクショーッッ!!
『綺、ごめんね、後で聞くから。』
『…うぅん、たいした話じゃないから…』
綺がそう言ったから、あたしはその話について深く追求しなかった。
綺の悲しそうな顔に気付きもしないで。
なんであの時あたしは気付いてあげられなかったんだろう。
もっと早く気付いてあげてれば綺はあんな思いしなくてすんだのに…