それは、きっと誰かの恋
突然の恋
六月の鬱陶しい雨がずっと降り続いていた。
六月も後半にさしかかると私の気分も最低なものだった。

「今日もまた雨か…」独り言をブツブツ言いながら仕事の準備をしていた。

「今日の占い！今日のハッピーさんは山羊座のあなたです！今までに経験したことのない素敵な出会いが待っています。友達や先輩を誘って遊びに出かけるといいでしょう！」

何気無くつけていたテレビからは毎日同じ様に聞こえる占いとどっか遠くであってる会合や戦争の話で持ちきりだった。
「あぁ～！もうこんな時間！」
私はつけていたテレビを消し、自分の部屋を後にした。
車のバックミラーで髪をひとつに結び直して愛車の軽自動車を走らせる。

いい出会いなんてなくていい。


その時はそう思っていた。


多分、あの人に会うまでは…。



家から職場までは約１０分で着く。私はいつものようにぎりぎりで職場にたどり着いた。
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表紙・目次

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