アビリク
「実は前に蘭華さんから秋草くんのこと聞いてたんだ♪」

と、芽音が笑顔で言う。

「まあ、ここで話すのも何だから、場所を移動しましょう。」

先生は髪を耳にかけ、俺に手を差し出した。

「え、何すか?」

「つかまって?」

「は?」

何故!?

生を受けて17年。かーちゃん以外の女性と手を繋いだことなんてないんですけどっ!

俺は自分でも顔が火照るのがわかった。2人にもそれがわかったのだろう。クスクス笑っている。

─海斗くん、もしかして「うっせぇ!皆まで言うな!!」

先生は気を遣ってくれたらしく、手ではなく袖を掴んでくれた。

「じゃ、飛ぶわよ。」

「え、飛ぶ!?」

声を上げた時にはすでに地に足が着いてなかった。

「ちょ、うわぁ!」
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