パンデミック
「拓海ー!オッソォーーイ!!」


(ハァ…ハァ…)


「ふぅ、悪い悪い、これでも走ってきたんやぞ?」

オレはマスク姿で汗だくになりながら三角公園まで走ったのだ。

「昔っから遅刻ばっかやなぁ。ウチが北海道行くときも見送り遅れてきてたし。」

真理ももちろんマスクをしていた。

「…ハァ…ハァ…なんか…」

オレは疲れながら口を開いた。

(…??)

「…なんかお互いマスクでデートとかおかしいなぁ。」

オレは疲れながらも必死に笑顔を作って見せた。

「誰がデートや!ウチはただ遊びに行こうって行っただけやで!まったく…」


「でもこれくらいの歳になったらデートじゃない?」


「あほぅ。“デート”は好きな人と行くから“デート”なんよ。」


「…………」





○| ̄|_



オレは何もいえなかった。


「もうええや。んじゃ早く行くぞ真理。」


「うん!」


人の気持ちも考えろやい!!
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