パンデミック
オレたちは“大阪駅”から“ユニバーサルシティ駅”まで乗り継ぎをして向かった。


(プシュ…)

改札を抜け、アメリカ風のユニバーサルシティを歩く。

「うっはー懐かしい!今ってジェットコースターも出来たらしいねんな!」

真理の顔を見るとすごく楽しそうだった。

デートと向こうは思っていなくてもオレとしてはデートになるのだ。

「オレもめっちゃ久しぶりやわ!小学校の修学旅行以来やわ!」

「いいなぁー、ウチ小5で転向したから修学旅行行けんかった…。」

「………。……なぁ…?」

「ん?」


真理はオレの顔を覗き込んだ。

「…手ェつながへん…?」

一気に顔が熱くなったのがわかった。

「……いいよ。ウチこぉいうのん初めてやから…」

なぜかわからないけど真理の手は手汗をかいていた。

顔を見ると頬が綺麗なリンゴ色になっているのがわかった。

(…ブー…ブー…)

「悪い、メールきた」

オレは携帯を開いた。

[―山田修也―]


[お二人さんでクリスマスデートですか?(^з^)/チュッ]


「なっ…!!?」

オレはすぐに辺りを見回したがクリスマスシーズンの客の数で修也を見つけることはできなかった。

(ブーブー)

[オレらは寂しく男だけでユニバですからまた明日聞きますわ(≧ω≦)笑]

「…………。」


「拓海?どしたん?」


「別になんでもない!メルマガやった!」


(修也のやつ、今度しばく…)


修也はまだ真理の存在を知らないのだ。
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