パンデミック
(…ったくなんであいつも来とんねん。)

そう思いながらゲートをくぐり抜ける。

けどしかし朝なのにチケット売り場が尋常じゃないくらいの人がいる。


「いくらクリスマスでも混み過ぎやろ?」


(ブー…ブー)

またオレの携帯が鳴った。

[―山田修也―]

(…またあいつか…)

[今日本間ないなぁ(>_<)なんでこんなんで閉めるねんな?彼女連れてるのにドンマイやな(^o^)笑]

「…はっ!?」

「ちょっ、拓海。このアナウンス…」

「えっ?」

その時オレはチケット売り場に流れているアナウンスに気がついた。

『…只今、新型インフルエンザ感染患者が発見されたため、今日を閉館させていただきます。えー只今、…』


「新型インフルエンザ?」

(ドドドッ…)

「どいて!どいて!!どいて!!!」

防護服を着た連中が担架に人を乗せゲートに向かってきた。


「離れてください!!感染しますよ!!」


「うわぁあぁあぁ!!」

チケット売り場前はちょっとしたパニックに陥っている。


「真理…、ダッシュで帰るぞ…」

「…え?」

(ダダッ…)

オレは真理の手をつかみ駅まで走った。
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