【短】みるくちょこ
顔を見られたくなかった。
汗でぐしゃぐしゃになってるだろうし、
ここに来るお客さんは
みんな大人で綺麗に身なりを整えた人ばかりだったから。
タクさんは私の頬を両手で挟むようにすると、
ゆっくり顔を上げさせた。
「どうした?」
「今、汗で無茶苦茶だからっ」
手を振りはらおうとしても、
とても強い力で敵わない。
私の汚い顔をじっと真剣な目で見つめると、
私の手を引いて従業員の部屋に入っていった。
離されて開放された手はじんじんと痛む。