心 ―ハジマリノウタ―
考える暇など無かった。
気がついたら、飛び出していた。
「ユア!!」
リブに向かって放たれた光は、
私の身体に当たって弾けた。
元々そんなに強い攻撃ではなかったらしく、
傷も無く服の一部が焦げただけだった。
それよりも、リブが私の名を初めて
呼んでくれたことが嬉しかった。
「ユア、あなた何してるの!?」
リブが駆け寄って、傷がないか確認する。
その行動は、私のため?
ならば、リブにとって、
私は大切な存在であれた、
ということだろうか?
「リブ、初めて私の名前を呼んでくれましたね」
「こんな時に…何、言ってるの?
ほんとに馬鹿な子…」
そう言って、リブは私を抱きしめた。
彼女の腕の中は、温かかった。
彼らの仲間でいることは、
心地良かった。
私は、微笑んだ。
もう笑うことができる。
泣くこともできる。
それだけで、十分ではないか。
私は立ち上がった。
リブは私を見上げた。
「フェイク、アナタと共に行きます。
だから、どうか皆を救って下さい」
私は差し出された手に
自分の手を重ねた。