心 ―ハジマリノウタ―
第七章

The Back Of Mask





ここはフェイクの部屋。


奴隷工場でもあり、

ハートを持つ者の家でもある。


彼らの部屋は、彼らしか知らない方法で

辿りつく地下にあった。


フェイクはソファに私を座らせ、

その髪を撫でた。


ロックによって整えられた黒髪は

もう、整えられることはない。


そうやって、少しずつ、

思い出は消えて行くのだろう。


そして、私はそのことに対して何かを

感じることは許されない。


だから、私はされるがままになって、

再び奴隷として、彼に仕える。



服は再びドレスに着替えさせられた。


美しい蒼いドレス。


それは偽りの空の蒼に似ていた。


嫌ではない、

だが嬉しくもない。




「ねぇ、ユア。

君の能力は歌なんだってね。

俺のために歌ってくれない?」




幾度と無く私は大切な者のために

この歌を歌った。


しかし、今溢れるのはそんな思いではない。


だから、この歌ではなく…




「はい。主様」




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