心 ―ハジマリノウタ―




激しい風の音にまぎれて、

意識の朦朧とする私の耳に声が響く。




「止めないと彼女が死んでしまう!

早くしないと!!」




「やめるんだ、リオ。

クリスタルはよく分かってるはずだ」




ロックという男の声が言う。


主様は黙ってしまったようだった。


ああ、意識が…。


意識が遠のいていく。


瞳を閉じた私の耳に、老人の言葉が響いた。




「彼女の、運命なのだ」




運命……?






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