心 ―ハジマリノウタ―



ジグの言葉が蘇る。




『彼らの元へ返すべきだと、判断したのだ』




俺の一番大切なものは、ユア。


ならば、ユアが俺のために彼らを捨てたように、

俺は、ユアを捨てればいいのか?


そうすれば、彼女は救われるのか?


きっとあいつ等なら、どんなユアでも

受け入れて、ジグの言ったプラスの思いを

溢れるほどに、与える事ができるだろう。


俺一人の愛では、ましてや、信じてもらうまで

待つことしかできない俺より、ずっと…。


悔しい。


それでも、ユアのためなんだ。


それなら、仕方がない。


そうだ、この世界のどこかで、ユアが存在して

笑って、幸せに暮らせるなら、

彼女が俺のために、彼らを捨ててくれたように、

俺もユアを開放しよう。


俺が、ユアを救う番。


心の隅では、俺をまた選んでほしい、

そう、思ってる。


こんな俺は、卑怯者だろうか。


そうかもしれない。


でも、今は、俺にできることをするだけだ。


ユアを、

大切な人を救うために。



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