World of Game

脱出

疲れたからだに鞭を打ってドアを閉める。

……バタン。

ガチャガチャと鍵の入力ボタンを押してパスワードを変えたところで、四人は座り込んだ。
この特殊装甲扉は幹部型でも簡単には壊せない。


一行はもう疲れきり、話す気力もない。
ただただ、息遣いをしているだけ。


どれだけ時間が経っただろう。

鍵のディスプレイが点滅し始めた。


弥生が声にださないでよっこらせと、立ち上がり様子を見る。
その弥生の疲れの色しかなかった目が、驚きで見開かれた。

「と、砺波……」


小夜が顔を上げれば弥生が手招きしている。
弥生の元の画面を見れば、同じように目を見開いた。

「な、に…これ……?」

「俺が聞きたいさ。とりあえず、お前に用があるみたいだ」

弥生が小夜に場を渡し、二人のとこへといった。
画面には

『――創造者たる砺波小夜――
私は貴女の造りしモノ』

と表示されていた。
やがてそれは消え、新たな文字が表示された。

小夜は左右に目を動かし、読み終わると体が恐怖に震えていた。

「!! …そんな!」

「どうした砺波!」


言葉にするのも恐ろしく、震える手で画面を見せた。

『親愛なる我の創造者よ

即座にその場をはなれ進め。
貴女の恐れる機械たちが貴女の場へとたどり着く。
私は貴女の声を受け取った。私ができるのは此れくらいだ』

「くっそ! 行くぞ!!」

一行が走り出し角を曲がった時、背後では轟音が響いた。


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