World of Game


必死に走っても所詮は子供。
その上体力はもう切れそうときている。
四人はあっけなく追いつかれてしまった。


敵は幹部型二人。


そこから次の扉までは約10メートル。
敵はゆっくりと歩いて来る。


小夜は震える声でつぶやいた。


「もう、ダメなの?」


答える者はいない。
そのそばで弥生は二人に目配せすると、二人は頷く。

弥生は片手を後ろに回し、二人に見えるように向けカウントダウンを開始する。











二人は同時に走りだした。
一人は幹部型に向かい、一人は弥生と小夜を抱えて扉に向かった。
自分とそう変わらない二人を抱えているというのに、ほぼ一瞬で扉までの距離を詰める。


「なん――」


今起きた出来事を飲み込めない小夜に彼は微笑んで言った。


「僕は弥生さんに機械化したところをちょっといじってもらってあるんで――」


彼の言葉は轟音にかき消された。
見れば敵に向かっていった子は爆煙に包まれ、その煙で小夜たちからは見えなかった。



しばらくすると煙は晴れ、二つの人影が見えてきた。
そこに立っていたのは――変わらず無表情の幹部型アンドロイド二体。


そしてその一人の手には手の骨――いや、機械化した手の骨組みが握られていた。
手を広げれば、それも塵と化し零れ落ちた。



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