親指姫

公園の入口に自転車を停めると、ちーち
ゃんの声がした。

「あっ、さおー!!潤一と洋介に会ったよー!!」

早足でちーちゃんの元に向かう。

「そーだったんだぁ!てっきり、またナンパされてるのかと……」
「クラスメイトの顔を忘れんじゃねーよ」

そう言って潤一が笑った。

「ってか、さお、今日雰囲気違くね?」
「さぁね。ちーちゃん行こー」

潤一と結城君に会うとは思わなかったから、若干恥ずかしい。

「どこ行くの?」

結城君の声がして立ち止まった。

「カラオケだよー」
「一緒に行っても良い?」
「良いよねっ、さお?」
「そーだね。2人でフリーとか何気に疲れるし」

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