真夜中の向日葵
予期しなかった突然の別れだっただけに、僕は現実を受け入れられない。
……でもまぁ、別れなんてこんなもんだろうな。
「大の男が、女に振られたぐらいでウジウジしてんじゃねぇぞ!」
そう言って幸喜は、僕の背中を力いっぱい叩く。
バシッという大きな音が教室中に響き渡り、一瞬だけしんと静まり返る。
「……いてぇよ」
再び騒がしくなった教室で、僕は涙目になってぽつりと呟いた。
「よし、オレがいい所に連れて行ってやろう!」
「……どこだよ。風俗なんてイヤだぞ」
「アホか。健二も誘って、パーッとやろうぜ」
幸喜が何を計画したのかは分からなかった。
けれど、玲奈のことで頭がいっぱいだった僕は何も聞かずにOKした。