幸せの契約
『いけません!
お一人で歩いて帰るなど危険すぎます。すぐにお迎えに上がりますから、お待ちください!
いいですね?』


物凄い勢いと迫力で
私は有無も言えず
「はい。」

とだけ返事をして電話を切った




でも
一人は危険だ
なんて、小学生じゃないんだから…



そんなことを思いながら
心配してくれていた犬居さんの事を思うと自然に顔が緩んだ


みんなが居るテーブルに戻って荷物をまとめる


「あれ?
鈴?帰るの?」

静香が驚いて私を見つめた

「うん、ちょっと急用でさ。じゃ、また明日ね。」



手を降る静香を背中に
私は足早にカフェテリアを去った


さっきの苛立ちは何処へやら

足取りは軽く
鼻唄まで飛び出しそう



そんな気分で駐車場を目指した
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