幸せの契約
抱き寄せられて

犬居さんの手が腰に回り

もう片方の手は私の手を握った


急速に早まる鼓動

顔に身体中の熱が

触れられたところに全神経が集中する

そして
顔がグッと近づいた


「鈴様はこれから社交界にもデビューされます。

その練習として私がお教えいたしましょう。」


耳にかかる吐息


頭の芯が痺れる


番場さんが軽快なワルツを奏で始めた

「ワルツは社交界でも定番です。さぁ、行きますよ。」


犬居さんのリードで私の足は動き出す


何度も犬居さんの足を踏みそうになったり

よろけて転びそうになる度に


犬居さんが立て直して微笑んでくれる


心臓がスパークしそう!
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