幸せの契約
テーブルについてみんなで乾杯をする


「メリークリスマス!」


グラスの空なり合う音が響いて


笑顔が広がった


番場さんの作った料理はどれも美味しくて


みんなで過ごす時間が楽しくて


時間の流れなんか忘れてた

すると
ステレオからクリスマスソングが流れ出す


「お、いいね。俺もやるかな。」


番場さんが立ち上がって
一旦部屋からでる

戻ってきた彼の手にはバイオリンが握られていた


「番場さんがバイオリン!?」


意外すぎて目を丸くしてしまう


クスクス笑う由香ちゃん


「俺がバイオリン弾いたらおかしいですかい?」


「え!あ、いえ…。」


思わずうつ向いてしまう

「鈴様、一曲お願いできますか?」



犬居さんは私に手を差し出す


「え!?
ダンスですか!?」


「はい。」
優しく微笑む犬居さん


そりゃ犬居さんと踊れたら嬉しいけど…


「私、ダンスなんて踊ったことありません。
無理ですよぉ。」


「大丈夫です。
私がリードいたしますから。

さぁっ!」


フワッと犬居さんが私の手を引いて引き寄せた
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