幸せの契約
「鈴…様?!」


慌ててカップを置き
犬居さんに背中を向ける


「ごめんなさい。
お父さん達の事考えたら涙か出ちゃって。」


小さな嘘


だって真実なんか言えないよ


「鈴様?」


「ごめんなさい。出ていってもらえますか?
少し…1人にしてください。」


今は一緒にいられない


これ以上
一緒にいたら



小さな嘘がほつれちゃうよ


「かしこまりました。」


犬居さんがゆっくり静かに部屋を出ていった
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