好き?




「あ・・・」



おはよう。

そういいたいだけなのに、いえない。

しゃべれない。

李亜がいた時は、しゃべれたじゃない。




「っぷ・・・あはははっ!」




突然さとしさんが笑い出した。




「ちょ、なによ!そんなに笑って!」

「いや、一人で百面相しておもしろいなーって・・・」





あ、今私、しゃべれてる。

心は痛むけど、しゃべれた事に安心した。




っていうか、いまさらだけど、なんでここにいるの??




「あの、さ。李亜・・・は??」

「は?何いってんだ?待ち合わせしてるだろう?」




え・・・?
だってもう、一時間の遅刻・・・。




「ほら。」




さとしさんが自分の携帯を出す。
時刻はまだ、9時30分。




「え・・・?あ・・・あー!そっか・・・!」




昨日遅刻しないように自分の時計を全部早めたのを思いだした。

すっかり忘れてた。

じゃあ、一時間早くきたってこと??

私の苦労・・・は?




「さとしさんは、どうしてこんなにはやくきたの?」

「俺はいつもはやくくるんだ」




それって、あの時も?

あの、屋上で待ち合わせしていたときも?

・・・そういえば、私が先に来ていた事、なかったかも・・・。


待つってどんな気持ちだった??

ドキドキしてた・・・?


それとも、




寂しかった・・・??







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