好き?
であった二人。それは、始まり?
第5話



「凛~さとし~!」




しばらくして、李亜が来た。




「おはよう」




さとしさんが李亜に優しく笑いかける。

やめてよ。

そんな笑顔で、話さないでよ。




「さとしの友達は?」

「まだ・・・みたいだな」




さとしさんの友達はまだ来ていないんだ・・・。
このまま、来なければいいのに。

そうしたら、帰れるのに。




「んじゃ、うちらは行くから、凛も楽しんでね!」

「え・・・?あ・・・うん・・・」




なんだ。
Wデートっていっても別々に行動か・・・。

なんだ・・・。

さとしさんと李亜が一緒にいるとこ、見なくてすむんだ・・・。




「じゃあね!」

「う・・・ん・・・」




そういって、李亜達はどこかへ行った。

手をつないで、楽しそうにして。

私だって、さとしさんと手をつないだことはなかった。
ただ、話してるだけだった。
そんなの付き合ってるんじゃないって、言われるかもしれないけど、私には充分だった。

好きな人が隣にいて、話が出来る。

それで、充分だったんだ。

それを、別れた後に気づいて。




「は・・・何やってんだろ・・・私・・・。」




時計を確認して、もうすでに待ち合わせ時間から30分以上経っているのを確認する。

相手はこない。

見当たらない。

顔がわからないのだから、見つけようがないのだけど。




「帰ろう・・・」




そう思った瞬間、




「ああ~!くっそ!こねぇ~!」




後ろから、声が聞こえた。





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