職場内恋愛
「先生」
秘密の場所を出て行こうとした京地は思い立ったように振り向いた。
「負けないで…下さい。
絶対…負けないで。」
『何言ってんだよ?』
でも京地は曖昧に微笑み、出て行ってしまう。
『アイツ…ヘンだと思わねぇ?』
涼はウンウンと、頷いている。
『今の言葉…意味深だよな?』
涼の言葉に今度は俺がウンウンと頷く。
『負けないで、っていったい…何に、だ?』
タバコが短くなっていることにも気づかず、俺も涼も首を傾げるばっかりで。
今日のアイツはなんかヘンだ。
「頑張れ」なんて言ってみたり、
「負けないで」なんて言ってみたり、
言いたいことあんなら、はっきり言ってくれればいいのに。
分っかんねぇーな~
今どきの中学生って。