職場内恋愛
「奈々ちゃん」
次の日
あと2日で夏休み。
今日は最後の授業だ。
そしてこのクラスには真がいる。
「ん?どうしたの?」
真の目は真っ直ぐで。
でも私はその目を逸らす。
「昨日のデートで言ったんでしょ?」
目だけじゃなく、言葉も真っ直ぐだった。
真は周りに聞こえないように声を低くする。
「藤堂先生、今日…眼鏡だった。
いつもはコンタクトなのに眼鏡してた。
どういうことか…分かる、よね?」
分かるよ、真。
でも…仕方なかったんだ。
それに、真が背中を押してくれたんだよ。
なのにどうしてそんな目をするの?
「あたし…後悔してる。
やっぱりあのとき、言わなければよかった。
奈々ちゃんの好きなようにすればいい、なんて」
真は伏し目がちに呟いた。