職場内恋愛





『ここは…』


俺は画面に顔を近づける。

そうすると自然に奈々との距離がつまった。



ダメだ…緊張する。


鼓動がおさまらない。



『……………奈々』


思わず、名前で呼んでしまう。



奈々はビクッと体を反応させた。




『今…好きなヤツ、いる?』


後戻りできないと考えた俺は気になっていることを聞いた。




「………いますよ」


奈々は伏し目がちに呟いた。




『そ…っか。

安心したよ。


いろいろ…ごめんな』


俺はそう言うと職員室を飛び出した。



好きなヤツ…いるのか。

だったら俺と別れた理由って他に好きなヤツができたからなのか?



………惨めだな、俺って。








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